- 現役インフラエンジニアが執筆
- インフラエンジニア歴「3年」
- 複数の資格(応用情報技術者やAWS等)の保持
- 絶賛、転職活動中…
・インフラエンジニアについて分からない
・インフラエンジニアになりたいけど、何の資格を取ればいいか分からない
私もインフラエンジニアを本業としていますが、実際に業務するまで「インフラエンジニア」を分かっていませんでした。
本記事では、「インフラエンジニアとは?」「インフラエンジニアになるにはどのような勉強をしたらいいか」と思っている方に対して、インフラエンジニアについてや必要な資格等を書いていきます。
- インフラエンジニアについて分からない人
- インフラエンジニアになりたい人
ぜひ最後までご覧ください!
インフラエンジニアって?
まずインフラとは
インフラとは、インフラストラクチャーの略であり、英語表記だと「Infrastructure」です。
意味は、日々の生活を支える基盤のことで、人の生活において絶対必要なものという意味です。
たとえば、公共施設、ガス・水道、道路・線路、電話・電気などの私たちの生活に欠かせないものを指しています。
地震や水害などが発生した場合は生活に必要不可欠なインフラ「生活インフラ」の復旧が最優先の課題と言われ、インフラの中で、道路や橋、トンネル、信号機、鉄道などのインフラを「交通インフラ」、上下水道を「水道インフラ」と呼ばれています。
インフラエンジニアとは
IT環境におけるインフラとは、システムやインターネットを使用するために必要なサーバーやネットワークを指します。
これらの設計・構築・運用・保守を手がける技術者が『インフラエンジニア』です。
一括りに「インフラエンジニア」と呼んでもその中で、様々な領域に分けられます。
担当する技術によって「サーバーエンジニア」や「ネットワークエンジニア」などいくつかの種類に分かれます。
会社やプロジェクトによっては、さらに役割が細分化されるケースもあり、役割を複数持つ場合もあるでしょう。
ゆきまるは本業で「ネットワーク」と「データベース」を担当しています
インフラエンジニアの種類
前述したようにインフラエンジニアにも様々な種類がありますが、主に以下の3選があります。
サーバーエンジニア
サーバーの構築や運用、保守をメインに行うのが「サーバーエンジニア」です。
メールサーバーやWebサーバー、ファイルサーバーなどさまざまな種類のサーバーを設計・構築したり、障害が発生した時の対応を含めた運用・保守を行います。
また、サーバー機器をラックに固定したり、他の機器とケーブルをつないで配線したりといった物理的な作業も発生します。
ネットワークエンジニア
個々のコンピュータを繋げるための構築や運用をするのが「ネットワークエンジニア」です。
コンピューターや電子機器をルーターやLANケーブルでつなぎ、安全かつ安定したネットワーク環境を設計・構築・運用を行います。
作成した設計書に基づいて機器を接続させてネットワーク環境を作り、トラブルや不具合がないかをチェックしながら運用・保守を行います。
セキュリティエンジニア
情報セキュリティに特化し、ネットワークや外部の攻撃から守る対策を行うのが「セキュリティエンジニア」です。
セキュリティ機器を導入したり、サイバー攻撃やウイルス感染を未然に防ぐための対策を行ったりするのが主な業務です。
セキュリティに配慮したシステム設計や構築、システム運用、サイバー攻撃を未然に防ぐための調査や改善などを行います。
インフラエンジニアの仕事内容
様々な業務を担う、インフラエンジニアはIT基盤の「要件定義・基本設計」「構築」「運用・保守・監視」という3つをメインに業務を遂行しています。
前述したとおり、担当によって扱う種類はサーバーやネットワーク、セキュリティなどさまざまですが、どの職種も「上流工程(要件定義・設計・構築)」と「下流工程(運用・保守・監視)」に分かれます。
インフラエンジニア未経験者は「運用・保守・監視」からスタートし、業務の中で「要件定義・基本設計」の経験を積みながら、インフラエンジニアとしてキャリアアップをしていきます。
要件定義・基本設計
要件定義と基本設計は、システム開発の業務フローの一部です。
まず、要件定義はクライアントからの要求をもとにシステム機能を決める作業のことです。
プログラムで実現するソフト面や、サーバーやネットワークなどのハード面の要件もこちらの要件定義で行っていきます。クライアントへヒアリングを行い、サーバーのスペックや数、冗長化や負荷分散といった点も考慮し、要求機能一覧や業務フローなどを作成していきます。
また、基本設計は要件定義で決まった機能を具体化するための設計作業のことです。
要件定義では必要な機能を言葉で表現しているのに対し、基本設計では具体的な画面イメージとして設計を行っていきます。
要件定義がであるのに対し、基本設計は、そのを決めることです。
- 要件定義 ▶︎▶︎▶︎ クライアントの要件・要望をまとめた成果物
- 基本設計 ▶︎▶︎▶︎ 要件定義を元に作成したシステムの概要図
構築
構築は設計されたインフラ要件を実際に作り上げていく作業のことです。
サーバーでも用途が異なりますので、それぞれに応じたアプリケーションをインストールしていく必要があります。
また、障害にも対応出来るように、冗長化による負荷分散のためのロードバランサーを設置や、セキュリティのためのファイヤーウォールなども構築していきます。
従来の構築は物理的にサーバーをラックに置いて、配線を施したりする必要がありました。しかし現在の構築では、自社に物理的なサーバは設置せず、クラウド上にサーバを置くようなクラウドコンピューティングが主流になってきています。
運用・保守・監視
運用・保守・監視はリリースされたシステムを維持管理し、安定稼働させ続けることです。
▶︎▶︎運用
運用とはシステムが日々正常に稼働を維持できるように管理や監視を行う作業のことです。
例として、利用者の増加に伴って負荷が多くかかるようになってきた機器が存在していたとします。安定稼働のためには、より性能の良い機器に入れ替えたり、増設をして負荷を均す必要が出てきます。
▶︎▶︎保守
保守とは障害対応をはじめとしたトラブル対応を主に行う作業のことです。
障害が起きたときに、障害箇所の特定や影響範囲など状況を適切に把握し、速やかにシステムを再び動く状態へと持っていく必要があります。
▶︎▶︎監視
監視とは構築したインフラが正常に動いているか常に確認しておく作業のことです。死活監視のソフトウェアで稼働状況を継続的にチェックし、必要があれば改修を行います。
例として、アクセスが想定以上に多くシステムに負荷がかかっている場合には、負荷分散の方法を変える、サーバーを増強するといった対策を打つ必要が出てきます。
インフラエンジニアに役に立つ資格 4選
インフラエンジニアになるために、絶対に必要と言われている資格はございません。
しかしながら、就職や転職時に資格があれば、明らかに自身のスキルを証明するものになります。未経験者の転職でも、少しでも有利になる資格があるので紹介していきます。
こちらです
基本情報技術者試験・応用情報技術者試験
基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は情報処理に関する国家資格です。
基本情報技術者試験は、インフラエンジニアだけではなくITエンジニアに必要な基礎的な知識や技能を身につけていることを証明する資格です。
基本的なしくみから、OS、データベース、WEB、ネットワーク、セキュリティなどの基礎知識の習得に加え、システムの設計・開発・運用やネットワークなどの技術に関する問題だけでなく、経営戦略やプロジェクトマネジメントまで幅広い範囲となります。
また、基本情報技術者試験に合格した人が、次に取得するべきと指定されているのが応用情報技術者試験です。応用という名前だけあって、基本情報技術者試験より深い内容の資格となっています。
IT企業では、こちらの資格を有していたらお給料が上がる企業もあります。
ゆきまるの会社でもその制度が導入されています
CCNA・CCNP
CCNA・CCNPは世界最大のコンピュータネットワーク機器の開発・販売会社であるCiscoが提供している認定資格です。
『CCNA(Cisco Certified Network Associate)』は、ネットワークエンジニアの基本的なスキルを認定するもので世界共通基準のネットワーク分野では最も有名な資格と言えます。
また、CCNPはCCNAより難易度が高く、CCNAに合格した人が次に取得するべきと指定されているのがCCNPです。世界共通基準の資格であり、取得すればインフラエンジニア(ネットワークエンジニア)としての基本スキルが備わっている証明になります。
LPIC/LinuC
カナダにある非営利組織が運営している、世界最大かつもっとも認知されているLinux技術者認定LPICはLinuxの技術者を認定するベンダー資格です。
LPIC(Linux Professional Institute Certification)は、Linuxはカスタマイズの幅が広いOSであるため、業務用システムやインターネットサーバーを構築する時に良く利用されているOSで、クラウドサービスのOSとして利用されていたり、宇宙開発を行っているSpaceXやNASAでも利用されていたりと汎用性の高いOSです。
Linuxシステムの構築や運用だけでなく、クラウドシステムやアプリケーション開発に携わるために、必要なスキルを有した技術者であることの証明になります。
AWS 認定
通販サイトの大手Amazonが提供しているクラウドサーバーの認定資格です。
クラウドコンピューティングサービスの1つで、サーバーやネットワークなどをインターネット経由で貸してくれるサービスで、いつでもどこでも開始することができることが、AWSです。
『AWS(Amazon Web Service)』は、基礎レベル、アソシエイト、プロフェッショナルの3段階に分かれており、この資格を持っていればAWSの専門知識を持っていることを証明できます。
インフラエンジニアに向いている人
几帳面な人
インフラに設計ミスや障害があれば、その上で動くシステムやインターネットサービスも使えなくなり、社会全体やユーザーの生活に多大な影響を及ぼします。
よってインフラエンジニアは、些細なところまで注意をすることが出来て、何事も丁寧な仕事ができる人に向いています。業務の中で普段よりサーバーCPUの使用率が高い等の違和感を発見でき、丁寧に作業を進められるインフラエンジニアなら、質の良いシステムを作ることができます。
陰ながら支えたいという人
インフラエンジニアの仕事は、システムの基盤を設計し構築することです。
みなさんが普段利用しているアプリケーションのように目に見える部分ではなく、アプリケーションが動くためのインフラを設計・構築します。表ではなく裏で支えることに仕事のやりがいを感じる人にはインフラエンジニアは向いていそうです。
コミュニケーション能力が高い人
前述した通り、インフラエンジニアは裏方の仕事と言いましたが、高いコミュニケーションによってプロジェクトは進められます。
プロジェクトや作業を進める過程では、クライアント、上司や同僚、社内の関連部署など、さまざまな立場や職種の人たちとの連携が発生するため、関わる人たちと円滑なコミュニケーションをとれる人がインフラエンジニアに向いています。
インフラエンジニアを目指すには?
インフラエンジニアを目指すには、資格の所有の実績があると、書類選考や面接で転職の意欲の証明になります。
未経験者であれば、比較的難易度が低いCCNAやAWS認定資格、LinuCなどがお勧めです。また、インフラエンジニアを目指していない方でも基本情報技術者の取得をしていたら良いでしょう。
面接では、「なぜインフラエンジニアをやりたいのか」を聞かれます。事前に転職理由や志望動機を整理し、自分はインフラエンジニアに向いているところ等、しっかり準備して面接に臨んでみたらいかがでしょうか。
まとめ
- インフラエンジニアは、システムの基盤となるサーバー・ネットワークに関わる職種
- 仕事内容は、ITインフラの「要件定義・基本設計」「構築」「運用・保守・監視」の3つ
- 資格取得は必須ではないが、ITネットワーク関連の幅広い知識が必要
- インフラエンジニアには、様々な能力が必要
本記事では、インフラエンジニアについてまとめてみました。
インフラエンジニアは人々の生活に欠かせないITの基盤を支える大事な仕事で、今最も採用市場でも高いニーズがあり、意欲や適性があれば未経験から転職を目指すことも可能です。
少しでもこちらの記事が参考になりましたら嬉しいです。
拝見いただきありがとうございました!
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